2020.10.29 農機具買取のプロがまとめた、効率アップ&時短をかなえる!農機具大辞典【後編】
前回のコラムに続き今回は後編と題しまして、特定の作物に特化した面白い農機具や、農業以外のシーンで使われている農機具などをご紹介していきたいと思います。
ある作物に特化した農機具
茶摘み機
お茶はお米と同じく、昔は一家総出で収穫をしていた作物のひとつ。それも今では機械が手伝ってくれるようになりました。
茶摘み機にはバリカンと送風装置が付いています。刈り取った茶葉に風をあて、付属の袋に収穫物をためていく仕組みです。
ひとりで背中にかついで作業するものから、大型農園向きの乗用のものまでサイズがあり小型のものは、お茶のほかにもラベンダーなどハーブの刈り取りに使われている例もあるようです。
ちなみに乗用型のものになると、葉についた虫を風で吹き飛ばす【捕虫(ほちゅう)機】なるものもあるんです。
日常的に人が直接口にするお茶ですから、虫対策は欠かせませんし、有機栽培にも最適な機械ですね。
茶摘み機の主なメーカーにはカワサキ機工、寺田製作所、落合刃物工業などがあります。
カワサキ機工 http://www.kawasaki-kiko.co.jp/chaen/index.html
寺田製作所 https://web-terada.jp/product/list.php?c=3
落合刃物工業 http://www.ochiai-1.co.jp/product/index.html
ニンニク植付機
ニンニクってスーパーに並んでいるものには中国産だったり、スペイン産などものも見かけることがるかと思います。しかし、安心して買いたいのは国産のニンニク。
日本一の産地で知られているのは青森県ですが、みなさん、ニンニクってどうやって植えているか知っていますか!? 実はニンニク1片をそのまま土に埋めていくんです!
この作業を行ってくれるのがニンニク専用の農機具、その名も【ニンニク植付機】です。
実はこの機械とても面白くて2人乗りの乗用タイプなのですが、乗っている2人の手元が同じリズムを刻んで動いている…と思ったら、回転式のトレイみたいなものが手元についていてそこにニンニクを置くと、自動で土に埋められていくという仕組みになっているのです。いちど作業現場で本物を見てみたいものです!
ササキコーポレーション http://www.sasaki-corp.co.jp/noukitop/ninniku/index.html
ヤンマー https://www.yanmar.com/jp/agri/products/vegetable/vegetable_replant/ph4r/price.html
ねぎ管理機
ネギはネギでも、白ネギ栽培にもってこいの機械があります。
白ネギは、白い部分が土に埋まったまま育った部分で、青い部分が土の外で育った部分になります。なので、ネギは育つ途中で何回か土を寄せてあげなければなりません。
基本は「ロータリー」という回転刃がついていて、これで土を耕して盛り上げていく仕様です。
そのほかにもアタッチメントを付け替えることで植え付けのために溝をつけたり、収穫(=掘り取り)したりできる機種もあります。また収穫だけに特化した【掘取機】もあります。
クボタ https://agriculture.kubota.co.jp/product/management/negi_kanri/
広洋エンジニアリング https://www.koyoeg.co.jp/agri_harvest/negi-system/
レンコン掘り機
はたまた、レンコン農家さんで活躍するレンコン掘り機なるものも発売されています! レンコンの収穫は、強力な水圧のポンプで土を剥がしながら行う過酷なもの。
レンコン堀り機は、わかりやすく言えば消防車のように放水用のポンプがついている機械になります。
また作業の最初に、見た目は小さなショベルカーという感じの機械が入り、頼もしく動いて土を削ってくれるものも登場しています。これは収穫後の土の埋め戻しまでしてくれます。
フジイコーポレーション https://www.e-fujii.co.jp/personal/others/detail/la.html
日立建機 https://japan.hitachi-kenki.co.jp/products/industry/agriculture/
シイタケ乾燥機
さて、最後はセカンドツールの地元、乾しいたけの生産量日本一の大分県で大活躍している、【シイタケの乾燥機】です。
シイタケって、生の方が使いやすいと多くの人が思っていると思いますが、実は乾燥させるとビタミンDの量が10倍にもなるそうですよ。免疫力UPにビタミンDは欠かせません!
…という余談はさておき、シイタケは乾燥したものを水で戻すと出汁にも使える作物で、昆布やいりこと並んで昔から大事にされてきた乾物のひとつ。
春と秋の一瞬だけ生椎茸が収穫できるのですが、それを乾燥させて販売するのが一般的です。
しかし天日で干すのは時間がかかる…ということで、誕生したのがシイタケ専用の乾燥機なんです。小さな倉庫のような見た目で中にはトレイを並べる棚がついており、一定の温度や湿度に保たれるようになっています。
シイタケ以外の作物を乾燥させるのにも向いていようですね。
大和産業 https://www.taikisangyo.co.jp/dry/dry-760/
木原製作所 http://www.kiharaworks.com/product/shiitake.html
農業の中でも、ひとつの作物に特化した機械がたくさんありますね!
では次に農業以外のシーンで活躍している農機具を見ていきましょう。
畜産・酪農で使われている農機具
【畜産】とは、食肉用の家畜を育てる産業のこと。
牛であれば母牛に子どもを産ませ、子牛を半年〜1年ほど育てる「繁殖農家」と、子牛を出荷できるまで2~3年間かけて育てる「肥育農家」の2種類があります。どちらも牛の健康チェックや餌やり、牛舎の管理などが1日の仕事となります。
一方【酪農】は、牛や羊ヤギなどを飼い、乳製品をつくる産業です。
乳牛であれば、畜産農家さんと同じように乳牛を育てるために牛の健康チェックや餌やり、牛舎の管理などに加えてこちらは毎朝「乳搾り」の作業があります。
どちらの現場でも、やはり農機具は働いています。
いちばん活躍するのは、農業と同じく【トラクター】。これにさまざまなアタッチメントを付けて作業するところが多いようですね。
たとえば、多くの畜産農家・酪農家では牛の餌となる牧草を自社で育てています。そこにはやはり土を耕し牧草の種をまき、収穫し、運搬する…という作業が発生するんです。しかも牧草地といったら広大ですから、 トラクターがパワフルに働いて作業を助けてくれます。
ちなみに、稲刈りが終わった田んぼなどでよく見かけるサイロも、「ロールベーラー」という機械でつくられたもの。藁や牧草を収穫・粉砕し、それにビニールをまいて円筒状に整えてくれるんです!
また牛舎でたくさん発生する牛糞を乾燥させて堆肥をつくる農家さんもたくさんいます。
この堆肥をかき集めて運ぶときに、土木の現場でもよく見かけるショベルカー「ホイールローダー」という機械が使われています。
ヤンマー https://www.yanmar.com/jp/agri/products/dairy_farming/raking/
エム・エス・ケー農業機械 https://www.mskfm.co.jp/product_category/facilities/
まとめ
さて、2回にわたってお届けしてきました農機具大辞典。いかがでしたか?
▶農機具買取のプロがまとめた、効率アップ&時短をかなえる!農機具大辞典【前編】
トラクター、田植機、コンバインの三大農機具のほかにも、世の中では適材適所で実にさまざまな農機具が使われているんだということがわかりました。
私たちセカンドツールは、ポピュラーな農機具だけではなく、今回ご紹介したようなめずらしい農機具からアタッチメントなどの部品単体まで、幅広く高価買取をさせていただくお店です。
もちろん次にお使いになる方のために丁寧なメンテナンスをして、店頭で販売しています。それが、地域密着店だからこそできるセカンドツールの強みです! 高価買取も中古農機具のお求めも、ぜひ当店におまかせください!
2020.10.29 農機具買取のプロがまとめた、効率アップ&時短をかなえる!農機具大辞典【前編】
【農機具】と言うと、田んぼや畑で活躍するイメージでしょうか?
これまでこのブログでお話ししてきたのも、そんな農機具ばかりでした。しかし、作業効率アップのために農機具が使われているのは農業だけではありません!畜産や酪農の世界でも大活躍しているんです。
では、それぞれの世界で、どんな便利な農機具が使われているのか?2回にわたって代表的なものを一挙にご紹介したいと思います!
農業で使われている農機具たち
私たちが目にする農機具の多くは、やはり田んぼや畑で活躍しているものになります。農機具が行き来している様子をたくさん見かけると、
「田植えの季節だなあ」
「もうすぐ新米が食べられるなあ」
なんて、思いを馳せてしまうわけです。四季折々の景観にも溶け込んで、田畑の風景はとても情緒がありますよね。
そんなふうに、私たちが日常で見かけている農機具は、ごく一部であり農機具のなかでも【三大農機具】 と言っても過言ではないでしょう!
主要三大農機具といえば?
ちなみに【三大農機具】というと次のようなものがあります。
1. トラクター
【トラクター】は、畑で育てる野菜づくりにも、田んぼで育てる米づくりにも欠かせず、農業界でもっとも使われている農機具です。なぜなら、トラクターは大地をパワフルに耕し土をつくる機械だから!
しかも、漢字では「牽引車(けんいんしゃ)」と書くように、さまざまなアタッチメントを付けることにより、1台で何役もこなせる万能選手なんです。
現在、日本で使われているトラクターは【クボタ】【ヰセキ】【ヤンマー】の3社から発売されているものが主流。作業を行う圃場(ほじょう)の面積の広さによって10〜500馬力、値段にして新品で100万〜1000万円のものまで、さまざまなタイプの車種が各社から販売されています。
近年は、AIの技術を搭載したスゴい車種も登場しているのですがその話は、また後日!
2. 田植機
【田植機】はその名の通り、田植えをするための機械です。
中国大陸から日本に稲作が伝わってきたのが、縄文時代とか、弥生時代だとか…。
先日あるテレビ番組を見ていたら、弥生時代につくられた銅鐸(どうたく)がで発掘され、それには、人が田植えをする絵が描かれていました。日本昔ばなしに出てきそうな、手で苗を1本ずつ植えている絵です。
思わず「弥生時代からつい最近まで、同じように田植えをしてきたんだ!」と、びっくりしました。逆に弥生時代の人々がいまの田植機を見たら、びっくりするんでしょうね(笑)。
田植機にも、手押し歩行タイプから乗用タイプまで、大小さまざま。そのうえで、苗を植える列の数を「条数」というのですが2条から10条植えられるものまで、圃場の広さに合わせて選んでいくことになります。
3. コンバイン
三大農機具の最後は、稲刈りに使う【コンバイン】です。稲を収穫するのはもちろん脱穀、藁の処理、選別まですべて1台でできてしまうスグレれものなんです。
実はコンバインは稲刈りだけではなく、麦や大豆、そばを収穫するときにも用いられ、収穫する作物にあわせて、コンバインには【自脱型】と【普通型】の2種類がるんです。
【自脱型】は、先ほど言ったように収穫から脱穀、選別まですべて1台で行ってくれます。
これに対し【普通型】は収穫物とそれ以外のものを選別する機能に劣っており、別の機械を使って選別作業を行う必要があるため、さまざまな作物を育てているなら【普通型】を買ったほうが便利だと思います。
主要三大農機具に加えてあったらさらに便利なモノ
【三大農機具】加え、さらに絶対にあったほうがいいものが、こちら!
草刈機
土が良ければ良いほど作物はよく育ちます。と同時に、雑草も勢いよく育ちます…。とくに夏場の田畑は雑草との戦い。雑草の勢いに人間の勢いが負けそうになるくらい(笑)。
そんな元気の良い圃場に欠かせないのが【草刈機】です!
家庭菜園でも使える手持ち(肩掛け)式の簡易なものから、乗用タイプのものまでそろっています。
しかし草刈りって機械があるから「今日もがんばろう!」と思えそうな農作業のひとつですね。
「畑」での野菜づくりを支える農機具たち
さて、ここからは「畑」と「田んぼ」に分けて、それぞれで活躍してくれる農機具を見ていきます!まずは、畑での作業にオススメな農機具をご紹介しましょう。
耕運機
【耕運機】は、いわばトラクターのちっちゃいバージョンです。ただし、動力としていろんな作業がこなせるトラクターとは違って、耕運機は「耕す」ことが専門。
耕運機にも、性能やサイズや馬力に大小あり、大きな圃場で小回り効かせたいとき用、あるいは家庭菜園用に、折りたたみができ軽自動車にもらくらく乗せられちゃうコンパクトなものと、さまざまな種類がそろっています。
お持ちの圃場のサイズや用途に合わせて、ぴったりのサイズ感を選ぶのがおすすめです。
管理機
【管理機】とは、耕運機のように土を耕すのをはじめ土を平らにならしたり、畝(うね)を立てたりマルチを張ったりと、トラクターのように作業機(アタッチメント)を付け替えることで、さまざまな作業の役に立ちます。
管理機はガソリンか電気の力で動く手押し式のコンパクトな機械。どちらかというと小規模な圃場に適しています。
運搬車
収穫したものを、手作業で何往復もして運ぶのは大変。かといって車では圃場のすみずみまで入れないときに活躍してくれるのが【運搬車】です。
これも手押し式のタイプから乗用タイプまであり、荷台がスライドしたり、傾けることができたりと多機能なものがそろっています。
防除機
背中にタンクを背負って、液体を散布している農家さんを見かけたことはありませんか? まさに、背負っているものが【防除機】と呼ばれるものです。
昨今、無農薬・無化学肥料、あるいは減農薬・減化学肥料の作物が注目されがちですが、それでも許された範囲内で作物の病気を防ぐことは大切。殺菌、殺虫、除草のために使います。
野菜移植機
【移植機】は田植機の野菜バージョンです。稲の苗と同じように、どんな作物の苗も等間隔で植え付けてくれます。
しかも畝を立て、マルチをかけた上からでも、熱でマルチに穴を開けながら植えてくれるというスグレれもの。広い圃場でも一気に作業が進みます。
田んぼでの米づくりを支える農機具たち
過去のブログでもお話ししたことがありますが田んぼでは、田植えから稲刈りまでの間だけではなく、1年を通してさまざまな作業があります。
▽米づくりをはじめたい初心者必見!お米ができるまでに活躍する農機具とは▽
そもそも稲のタネになるのは、お米ひと粒ひと粒なワケでして…。それをまいて苗をつくって…という地道な作業を稲を刈り取るまですべて手作業でしていては、かなりの労力です。
昔からそれを助けてくれる道具は多々あったのですが、今の機械はさらに、ひとつひとつの作業をスムーズにする高効率なものばかりが販売されています。
脱芒(だつぼう)機
米づくりは、種籾(たねもみ)を丁寧に選別するところから始まります。種籾には、芒(のぎ)という細く小さなヒゲのようなものが付いていて、これを取り除いたものを使います。
そんな繊細な作業をやってくれるのが【脱芒機】。しかも種籾を傷つけることなく作業してくれるという、かなり優秀な農機具です。コメより芒の長い麦にも使う機械です。
脱水機
種籾から芽が出たら【脱水機】という洗濯機に似た機械にかけて、しっかりと水切りをします。この作業を行わないでいると、粒がくっついて播種(はしゅ)機にかけられません。
播種(はしゅ)機
いよいよ苗床(トレイ)にタネをまき、苗を育てていきます。【播種機】はタネをまく作業をしてくれるもの。
溝を掘って適切な数ずつまいてくれ、まんべんなくばらまいてくれるものだけでなく、撒いた後に水やりまでできるものなど、いろいろあります。
ちなみに稲だけではなく野菜、花などを育て始めるときにも使われる機具です。
苗箱洗浄機
田植えが終わり、からっぽになった育苗箱は、洗ってキレイにしないと残った根や土に病原菌がはびこり、翌年の作付けに影響してしまいます。
ところがこの作業、人が行うと中腰の姿勢になりキツイですし季節によっては水が冷たくてひと苦労。
そんな時【苗箱洗浄機】にかければ、強力な水圧で洗ってくれます!全自動のものもありますが、数がそれほど多くなければ、手動式のリーズナブルなもので充分です。
乾燥機
コンバインで刈り取った稲は、適度な水分になるまで乾燥させます。水分量が多いとカビが生えたりするので、長期保存に向かないからです。
いまでも「掛け干し」といって、稲刈りを終えた田んぼに棒を組んで、そこに稲を掛けている風景を見かけませんか? そうした天日干しを昔はどこもやっていましたが、今は機械で水分調整ができるようになりました。
ちなみに稲刈りを終えた米は水分量20%。それを15%まで落とすのが一般的です。掛け干しだとこの作業に3週間かかるのですが【乾燥機】を使えば短時間でできてしまいます。
籾摺(もみすり)機
乾燥させたお米は籾殻(もみがら)を取り除き、玄米の状態で出荷します。【籾摺(もみすり)機】は、お米を傷つけることなく、逆に割れたお米は取り除いてくれる便利なもの。
機械の中ではゴムでできた2つのロールがまわっていて、その回転によって殻が取れるような仕組みになっています。江戸時代には臼でこの作業をしていたそうで、それを応用したような機械ですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?トラクター、田植機、コンバインなどの目立った機械のほかにも、農作業のひとつひとつを助けてくれる優秀な機械がたくさんありますね!
ここで紹介したのもメジャーなものなので、まだまだ機械といえばいろんなものがあります。どれだけ作業の役に立つのかを知ってみると、機械をつくった企業さんたちは「本当にスゴい」と、いつも思わされます。
セカンドツールのお店でも、さまざまな農機具を扱っており、買取&販売どちらも丁寧に対応させていただいております! いつでもお気軽に、お電話お待ちしております!!